こんばんは。salt(@salt3123)です。
先日、約半年ぶりに宝塚を観劇してきました! 雪組さんの「凱旋門」と「Gato Bonito!!」です。
やっぱり宝塚はいいですねっ!
今回の記事は凱旋門の感想、轟さん、望海さん、真彩さんについて書いています。ほとんど予備知識なしの初観劇です。
ネタバレありですので、だめな方はお戻りくださいね。
ガートボニートの感想はこちらをどうぞ。
関連:雪組「ガート・ボニート」感想。宝塚のショーはやっぱり唯一無二!
轟悠さんラヴィックについて
声が出ていない、という情報を見かけていたので少し心配しつつの観劇でしたが、大丈夫でしたよ! 普通によかったです。
ラヴィックは、意外と「手の届く」ひとでした。
私がなぜだか勝手に聖人君子のような人だと思っていたので。
ジョアンのことも面倒くさそうに助けるし(それでも助けるのがラヴィック)、握手をもとめるアンリにたいして嫉妬を隠しもしない(ここが意外でした。もっとスマートな人かと思っていた)。医者だけど復讐のためには人の命を奪うことにも躊躇しない。
スーパーマンじゃない、普通の人でした。
経歴はまるで普通の人ではないのだけど。
慟哭が胸に刺さりました。死にゆくジョアンの名を呼ぶその声が、耳に残っています。
「ジョアン」と短い音のその密度の濃さ。重さ。湿度。魂がこもってた。あの声は、ジョアンと一緒に逝ったのかもしれない、と思わせるくらい。
ジョアンのこと、信じてほしかったな。「普通の男性」だから、信じきれなかった。受け止めきれなかったし包んであげられなかった。……なんて、ラヴィックを責めるように思ってしまったのは、私が予想外にジョアンを好きになっちゃったからですね。(ジョアンについては下の方で改めて書いています)
ラヴィックにもジョアンにも幸せになってほしかった。
轟さんの特別出演はいろいろ言う人もいますが、お芝居に重さが増すのは本当だし、組子さんに刺激になって喜ぶならいいんじゃないかと思います。(ジェンヌさんファースト)
トップコンビファンがさみしく思うのはわかりますけどね。私も大好きだった、前星組トップコンビの北翔海莉さんと妃海風さんで置き換えるともやもやしますもん。笑
ふうちゃんがみちこさん(北翔さん)以外の人と、みちこさんの前で恋に落ちるなんて、寂しいですもんね。
なんてことも言いつつ、私も始まる前まではラヴィックとボリス、轟さんと望海さんで役替わりがいいな~と思っていました。でも実際観劇したらラヴィックは轟さんだし、ボリスは望海さんだなと納得しました。
望海風斗さんボリスについて
最初普通の「主人公の親友」ポジションだと思っていたんですよ。事実ちょくちょくラヴィックを気にかけてくれてる。
でもね、ところどころつまらなそうな、醒めたようなまなざしを見せるんです。
それに気がついてから一気にボリスが気になりはじめました。
醒めているのに、なんの思い入れもなさそうなのに、頻繁にラヴィックを心配するように行動するのはなんなんだろう、何を思っているのだろうとすごく気になりました。
なにより、自分の暮らしを守りたい人なのかな。
ある意味、煌羽レオさん演じるマルクスと同じというか。自分の暮らしを、人生を守るために、誰にも心を動かしたりしない。女なんてもってのほかだ。(亡命者は恋をしてる場合じゃない的なセリフもありましたもんね)
だからこそ、ラヴィックへの友情は本物で特別だったんだろうと思います。
ラストの「くそったれっ!」は神々の土地の真風涼帆さん演じるフェリックス・ユスポフの「車で待つ!」と同じかな。私は同じような境遇になった彼のことを思い出しました。
親友に生きてほしくて、その術を用意するものの、「逃げない」と断られる。
その意思を覆すことはどうしてもできないと親友だからこそわかって、言いたいことはたくさんあるけどそのすべてを飲み込んではなたれた言葉。
あそこでようやく、まっすぐに感情を出したのかもしれない、ボリスは。
パンフレットに「諦観の微笑み」と書かれていましたね。
ところで望海さんボリスがストーリーテラーする場面はちょこっとエリザベートのルキーニを思い出したりしました。
この望海さんボリスがとてもよくって、なんだったら私、望海さんは二番手ポジのほうが好きかもしれないと思ったくらいでした。
真彩希帆さんジョアンについて
ジョアンは普通にイイ女だった。
(悪いひとだな~(ニヤニヤ))というふうに見ていたのですが、たぶんちょっと浅はかなだけで、思っていたほど全然悪女じゃなかった。
野性的とパンフレットに書かれていたけど(劇中でも言われてましたっけ)素朴というか、飾り気がないのかも。魔性の女繋がり、「琥珀色の雨に濡れて」のシャロンとはちょっと違いますね。
アンリに「君がいないと!」と抱きしめられた時もどこかきょとんとしていて、本当に全然そんな気なかった感じがした。(いやまあそれが残酷なのかもしれないけど)
琥珀色のシャロンはそういうの全部わかってやっているところが違うと思います。わかっていて全部、いいも悪いも全部自分で持っていくシャロンも私は好きでしたけどね。
あれ、でも……アンリに対して「全然そんな気がなかった」ではなくて、「そんな気だったけどラヴィックが帰ってきたから瞬時に心変わりした」のような気もしてきたぞ……。え、こ、こわい……ジョアンさん怖いです……。
でもね、ジョアン好きなんだよなー。同性に嫌われそうなもんなのになんでだろう。
まっすぐで。嘘がなくて。弱くて浅はかで。それを自分でわかっている人。
見ていて、あんなふうに人を愛したいなぁと思ってしまったのです。ジョアンに憧れてしまったの。(現実的にはもう少し自立心がないとやっていけないでしょうけど)
でも自分で働いて、欲しいもの得てるんだから十分自立してるよね。「囲われてるんじゃないわ」って言ってたし。(あれ、それは信じるセリフじゃない?)
あーでも最初にジョアンとイタリアから来た人も恋人なのにためらいなく「友達」って言ってて(言ってましたよね?)結構ひどいし、さらりと嘘ついてるしなー。彼をなくして生きる希望もないというほど思い詰めて。
もう本当に、男がいないと生きられない人なんだろうなぁ。
でもその中でも愛している人は明確にいる、んだと思う。思いたい。
明確に愛しているのはラヴィックで。だからアンリのもとを離れる決心をしたし、(決心してるってことはアンリとはやっぱりそういう関係だったということかな……。どうも男女の機微、難しい)
その割にラヴィックに女がいるかもってわかったら切り替えも早くて。(いや見えないところで苦しんでいるのかもしれないけど)
浅はかだけど、誠実ではあると思うんだよなぁ。ジョアン。
うう、なぜ私はこんなにジョアンを擁護したくなってしまうのだ…。
ジョアンがラヴィックといるときの表情が幸せそうすぎるから、なんだか憎めないんだよなぁ。ほんと、悪いひとですよ。
おわりに
他にも書きたいこと・ひとがいるので、感想は続きます。(た、たぶん…)
もう一度観劇できる予定なので、もっと深く見れたらいいなー。私にとって、意外とラヴィックが難しい人になっている気がします……。
原作も読んでみたくなりました。初演も見てみたいなぁ。
ガートボニートの感想はこちらをどうぞ。
関連:雪組「ガート・ボニート」感想。宝塚のショーはやっぱり唯一無二!
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